2022/12/19 23:45:56
  • 【霊界物語スーパーメルマガ】大峠(16)

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 霊界物語スーパーメールマガジン
      2022.12.19
 出口王仁三郎・著『霊界物語』を
 飯塚弘明がやさしく解説します
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 ╋ 大峠(16) ╋


戦争は国際紛争を解決する最終手段として行使されます。
まずは外交で解決しようと図り、それでダメなら経済制裁を行い、それでもダメなら最後の手段で武力を行使します。
戦争に発展しがちな国際紛争の主要なものは、国境線をめぐる争いです。
領土紛争です。
第二次大戦もそうですし、朝鮮戦争やベトナム戦争もそうです。現在続行中のウクライナ戦争も領土紛争です。
第二次大戦も、日本と米国の二国間だけで見れば、領土紛争ではありません。経済制裁(石油禁輸等)に対する報復のようなものです。
2001年から20年間も続いたアフガニスタン紛争は、アメリカの、911テロに対する報復です。
領土紛争ではない戦争も多数ありますが、一番多い戦争は領土をめぐる戦争です。

世界連邦の構想では、領土紛争を自国の軍事力で解決することは全て違法ということになるでしょう。
領土紛争は世界裁判所で解決することになります。

しかし、裁判で争いが解決することはありません。
裁判は、法的な判断を下すだけです。
その判決に当事者が不満を持つことはよくあることです。
というより、敗訴した人は必ず不満があるはずです。負けた方は「不当判決」と書いた紙を掲げて裁判所を飛び出て報道陣に見せつけるのが恒例です。
勝訴した人も、それが必ずしも納得が行く判決だとは限りません。
裁判は、法的な争いを解決するだけで、人の心の中の争いまで解決できるわけではありません。
領土紛争で、双方共に納得できる判決が出ることは全く期待できません。

現在日本はロシア、韓国、中国・台湾との間で領土紛争を抱えています。
たとえば竹島が、国際法廷の場で日本領土だと認められたとしても、それを納得する韓国人がどれほどいるでしょうか?
反日運動が盛り上がるだけです。

冷めた目で見れば──誰も住んでもいない島を、それ韓国領だ、いや日本領だと言って争うことは大変バカバカしい話です。
それは下らないプライドの問題だとも言えます。
自分のモノを盗られたように感じているだけだと言えます。
しかしウクライナ戦争のように、現在住んでいる土地をめぐる戦争となると、単なるプライドやエゴの問題ではなく、自分の生命や財産の問題となります。
盗られたように感じるのではなく、実際に盗られてしまうのです。

もし国際法廷で裁定するとして、自分の主張が認められず、住んでいた土地から出ていかなくてはいけなくなったらどうでしょうか?
泣き寝入りする人だけとは限りません。
暴力で解決しようとする人も出て来ます。
北アイルランドのIRAは良い例です。民間の武装組織ですが、イギリスからの分離を掲げ、30年以上にわたりイギリス当局と衝突し、3千人以上の死者を出しました。北アイルランドはいちおう合法的にアイルランドから分割されイギリス領になったのですが、それを承服できない人もいるのです。
国家間の領土紛争は法的に解決したとしても、こうして民間人の中に武力で戦う人が出て来るのです。
それは戦争ではなく、テロと見なされますが、結局、武力紛争がなくなるわけではないのです。

第二次大戦直後に世界連邦運動が始まり、それから80年近く経ちますが、世界はなかなか戦争がなくなりそうにありません。
それどころかますます軍備を増強して行こうという状況です。

しかしもし、はるか昔に、たとえば1950年代や60年代に、世界連邦が実現していたらどうだったでしょうか?
──それでも戦争はなくなっていなかったはずです。
各国の軍備は廃止されていたとしても、民間組織によって各地でテロが行われていたはずです。
特に植民地の問題があります。

第二次大戦前は、地球上のほぼ全ての地域がヨーロッパの植民地になっていました。
戦後、植民地が独立して行きました。特にアフリカでは1960年前後に多くの地域が独立しました。
70年から90年代にかけても、あちこちが独立しています。
もし1960年以前に世界連邦が実現していたら、それらの植民地は独立していなかった可能性が高いです。
独立するなら平和的に話し合いで…ということが世界連邦の理想ですが、話し合いなんてものはたいてい「強い者勝ち」です。
話し合いだと、たいてい強者・多数派が勝つのであって、弱者・少数派は負けます。
そこで銃を持って立ち上がるのです。
銃を取り上げられたら、弱者の言い分が聞き入れられることは難しくなるでしょう。
植民地は今でも植民地だった可能性が高いです。
植民地の多くは武力闘争を経て独立したからです。
ですから、仮に世界連邦が実っていたとしても、戦争が無い世界が到来していたとは思えません。

こうなると、別の角度からのアプローチが必要となります。
王仁三郎が唱えたように、道義的統一、精神的統一です。

(次回に続く)


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 お読みいただきありがとうございました。

    次回もお楽しみに!


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