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霊界物語スーパーメールマガジン
2022.12.26
出口王仁三郎・著『霊界物語』を
飯塚弘明がやさしく解説します
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╋ 大峠(17) ╋
王仁三郎は、世界を統一するには先ず、精神的・道義的な統一が必要だと唱えました。
体と霊という言葉を使うなら、体を一つにするためには先ず霊を一つにするのです。
具体的に王仁三郎が行ったことは、人類はみな同胞だという概念を人々に植え付けて行ったのです。
それが「万教同根」という言葉に表されています。
提携して行った外国の新宗教、たとえば道院なども「五教同源」という同じような思想を持っています。
当時の日本は、江戸時代が終わって、その次の時代です。まだまだ人権だとか、人類だという概念は、庶民レベルではとうてい持っていない時代です。
外敵(黒船)の襲来や、天皇を国民統合の象徴として持ち出すことで、ようやく「日本人」という概念が作られて行った時代です。
江戸時代には、同じ村とか、せいぜい同じ国(大和とか浪速とか山城とか)の人という程度で、「日本」という概念はありませんでした。
村や国が違えば同胞意識など生じないのです。「同じ日本人」などとは思わないのです。
「日本」を意識していたのは天下人の将軍様くらいです。
明治になってようやく庶民にも「日本人」の意識が芽生えるようになり、王仁三郎はそこにさらに、世界は一家人類みな兄弟という同胞意識を植え付けて行ったのです。
民族や宗教は違えど、みな同じ一つの神の御子であり、神の分霊をいただいているのだ、という思想を広めることで、精神的・道義的な統一を進めて行ったのです。
それから百年経ち、当時と較べたら現代は、格段にそういう意識は世界に広まっていると思います。
「人権」という概念がいい例です。
アメリカでは半世紀前までは黒人は人間扱いされていませんでしたが、1964年に公民権法が制定され、ようやく白人と同じ人間だと認められるようになりました。
今でも黒人差別は根深く残りますが、しかし50年前、100年前と較べれば格段に改善されています。
地球人類の同胞意識、人権意識というものは、ここ百年ほどの間に急激に作られて行ったものであり、まだまだ進化の道程にあります。
これからもまだまだ進化させねばなりません。
今必要なものは、世界をどう治めるかという視点を人々が持つことです。
それを考える習慣をつけなくては、たちまち国や民族というものに凝り固まってしまいます。
テレビやインターネットの普及で、世界というものを身近に感じることが出来る時代になりました。
世界中の人と、個人レベルで、会話・交流が出来る時代です。
しかしロシア・ウクライナ戦争が勃発した途端に、垣根が生じてしまいました。
ロシア人や親露派はプーチンの戦争を擁護し、戦争を批判する人との間に大きな溝が生まれました。
彼らは戦争自体を擁護するというより、「ロシア」を擁護したいのです。
世界の多くの人々は、国や民族というレベルを超えることが出来ません。
日本も同様です。みな日本のことしか考えていません。世界をどうしたらいいかを論じることを出来る政治家は一人もいません。みな国益ばかりです。
そんなふうに、世界の人々がみな、自分の国のことしか考えていないのですから、戦争がなくなるはずがありません。
なぜみな、自国のことしか考えることが出来ないのか?
その最大の理由は、世界政府という権力が存在していないということと、世界を報じるマスメディアが存在していないという2点が挙げられます。
国家権力というものがあり、そのアメとムチを私たちは受けているので、それで権力を気にするのです。
道路を整備したり、小中学校が無料で行けたり、年金を貰えたり、医療費が一部負担で済むのは、国家権力があるからです。権力の恩恵を受けているのです。
しかしこの恩恵はあまりみな有り難がらないですね。
水や空気と一緒で「当たり前」になってしまい、恵みを感じなくなってしまうのです。権力に感謝する人などいません。
逆にムチの方ばかり感じがちです。具体的には税金や警察です。
所得税や消費税で稼いだ金のかなりの割合を奪われてしまいます。車を走らせればスピード違反で捕まり、道を歩けば職質されます。
そういう権力の圧抑を日常的に感じるのですから、権力がどうのこうのと文句を言わざるを得ません。
しかし世界政府というものはまだ存在していません。ですからその恩恵も圧抑も感じることがないのです。
実際には国連のような国際会議によって、かなり圧抑がかけられています。CO2問題などがそうです。国際的な取り決めで、規制が厳しくなっているのです。
ですが、原則的には各国が自主的な判断によってその規制を採り入れたということになっているので、その国の政府のせいになっています。ですから、国連に文句を言う人はいません。政府に文句を言います。
現在はまだ、国家権力を超えて、人々を直接利益を与えたり抑圧したりする機関が存在しません。それが、人々が世界を考ることの出来ない理由の一つです。
まだ無いものを想像するのは難しいです。
しかし明治維新で新政府を構築した人たちは、まだ存在していない政府というものを想像したのです。
それは封建制度における幕府とは全く異なります。江戸時代は各地を諸侯に治めさせ、その諸侯を将軍が任命するという形態です。
それを、全国を政府が直接統治するという形態に変えたのです。
まだ無いものを想像することが出来る人もいるのです。
人々が世界を考えることが出来ない第二の理由は、世界を報じるマスメディアが存在しないことです。
テレビや新聞、ウェブメディアも含めて、マスメディアというものは、自国のことしか報道しません。
日本のマスメディアは日本のことしか報じません。
いや、実際には海外の話題も報道しています。しかしウェイトはとても小さいです。
たとえば、日本で5人が死んだ交通事故と、外国で100人が死んだ洪水があったら、日本で5人が死んだ交通事故の方が扱いが大きくなります。
外国で何人死のうと、日本人は関心がないからです。
それは日本向けメディアだから、そうなるのです。
ワールドワイドな視点に立ったら、100人死んだ洪水の方がウェイトが大きくなるはずです。大勢の人が死んだ事件・事故の方が、ニュースバリューが大きいからです。
世界という視点に立って報道するなら、新聞の一面に載る記事がまるで異なって来ます。
天気予報もそうです。
日本のマスメディアが報じる天気予報は、日本列島の気象だけです。外国の天気予報は報道しませんね。
ワールドワイドなマスメディアは、地球全体の気象を報じなくてはいけません。
日本というのは、その一地方に過ぎません。
私たちは、マスメディアを通して世界を見ています。
そのマスメディアが日本のことしか報道しないので、私たちは、日本のことしか考えることが出来なくなってしまうのです。
これはどこの国でも同じです。自国の報道しかしないので、みな自国のことしか考えないのです。
世界という視点に立って報道すれば、私たちも自然と、地球の裏側で起きた出来事にも関心を寄せるようになります。
今までは、言葉の壁や、技術の壁があって、ワールドワイドなマスメディアを作ることが難しかったかも知れません。しかしITが発達した今日でなら、それが実現できそうに思えます。
ですが残念なことに、まだそういうマスメディアは見たことがありません。
世界政府を作ることより、ワールドワイドなマスメディアを作ることの方が先決です。
それがあって初めて、多くの人々は世界を考えることが出来るようになるからです。
(次回に続く)
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今年の発行はこれで終わりです。
お読みいただきありがとうございました。
来年は、1月2日はお休みして、1月9日(月)から発行します。
よいお年をお迎えください。
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『霊界物語スーパーメールマガジン』
■発行日 令和4年(2022年)12月26日 (毎週月曜発行)
■発行所 オニド(王仁三郎ドット・ジェイピー)
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